第1問
知的財産権の引用についての説明として、不適切なものを以下より1つ選択しなさい。
①.引用する著作物がすでに公にされているものでなければならない。
②.引用の目的が正当でなければならない。
③.自分の著作物と第三者の著作物の主従関係が明確でなければならない。
④.出所を明示し、許諾を得なければならない。
正解 ④.出所を明示し、許諾を得なければならない。
なぜ「4」が適切でないのか
著作権法第32条で定められている「正当な引用」の要件を満たしている場合、著作権者の許諾を得る必要はありません。 もし許諾が必要であれば、それは「引用」ではなく「利用許諾(転載)」となります。無許諾で利用できる代わりに、厳しい条件(1〜3などの要件)が課されているのが「引用」という仕組みです。 ※ただし、「出所の明示(クレジット表記)」は引用の必須条件ですので、この選択肢の後ろ半分「許諾を得なければならない」という部分が誤りとなります。
他の選択肢(引用の成立要件)の解説
「引用」が成立するためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。
- 公表済みの著作物であること:まだ発表されていない他人の原稿などを勝手に引用することはできません。
- 引用の目的が正当であること:報道、批評、研究などのために必要不可欠である必要があります。
- 主従関係が明確であること:自分の文章が「主」、引用した部分が「従」でなければなりません。引用部分が大半を占めるようなものは引用とは認められません。
- その他:引用部分が他と明確に区別(カギ括弧で囲むなど)されている必要があります。
試験対策のポイント
2級試験では、「引用は許諾が不要である」という点が非常に重要なひっかけポイントとして出題されます。
引用 = 許諾不要(ただしルールが厳しい)
転載 = 許諾必要
この違いを明確にしておきましょう。
第2問
知的財産権についての説明として、適切なものを以下より1つ選択しなさい。
①.著作権のある絵画の販売を行うために対象となる絵画の画像を掲載する際は、著作者の許諾を得なければならない。
②.情報を検索するサービスで検索結果として表示される著作物は、著作者に掲載の許諾を得なければならない。
③.インターネット上の情報解析のための複製行為であれば著作権の侵害にならない。
④.海賊版の著作物も、私的利用の場合は著作権の侵害にならない。
正解 ③.インターネット上の情報解析のための複製行為であれば著作権の侵害にならない。
なぜ「3」が適切なのか
現在の著作権法(第30条の4)では、AIの機械学習やビッグデータ解析など、「情報解析」を目的とした利用であれば、著作権者の許諾を得ることなく複製等を行うことができると定められています。これは「著作物に表現された思想や感情を享受する(読んで楽しむ、見て感動するなど)」ことが目的ではないため、権利者の利益を不当に害さないと判断されているからです。
他の選択肢の解説
- 絵画の販売のための画像掲載 著作権法第47条の2により、美術品等の「真贋(しんがん:本物か偽物かを見分けること)の判断」や「販売」を目的とする場合、一定の範囲内で許諾なしに画像を掲載(カタログやWebサイトへの掲載)することが認められています。
- 検索サービスの検索結果 著作権法第47条の5により、検索エンジンが検索結果を表示するために必要な範囲内で著作物を利用することは、許諾なしで行えるようになっています。
- 海賊版の私的利用 本来、私的利用のための複製は自由ですが、「海賊版(違法にアップロードされたもの)」であることを知りながらダウンロードする行為は、私的利用であっても著作権侵害(違法)となります。
試験対策のポイント
2級試験では、「例外的に許諾が不要になるケース」がよく問われます。
情報解析(AI学習など) = 許諾不要
検索エンジン = 許諾不要
販売目的の紹介(美術品等) = 許諾不要
違法ダウンロード = 私的利用でもNG
このあたりの線引きを整理しておきましょう。
第3問
個人情報保護法において、委託先の業者へ個人情報を提供する場合は、第三者提供となるため、本人同意を得なければならない。
①.正しい
②.誤っている
正解 ②.誤っている
なぜ「誤り」なのか
個人情報保護法において、利用目的の達成に必要な範囲内で業務を「委託」するために個人情報を提供することは、法律上の「第三者提供」には該当しない(または第三者に該当しない)とみなされます(法第27条第5項第1号)。
そのため、委託先に情報を提供する場合、改めて本人の同意を得る必要はありません。
実務上のポイント
本人同意は不要ですが、委託する側(本人から情報を預かった企業)には以下の義務があります。
- 委託先の監督:委託先が適切に情報を管理しているか監督する義務があります。
- 利用目的の明示:あらかじめ「業務委託先に提供することがある」という旨をプライバシーポリシー等に記載しておくのが一般的です。
試験対策のポイント
「本人同意が不要なケース」は試験で非常に出やすいポイントです。以下の3つのケースは、法律上「第三者」に含まれないため、同意なしで提供可能です。
委託(業務の一部を外部に任せる場合)
事業承継(合併などで会社が変わる場合)
共同利用(グループ会社などで一緒に使う場合 ※事前の通知は必要)
第4問
コンピュータで検索できるデータベースの個別データには著作権があるが、データベース自体にはない。
①.正しい
②.誤っている
正解 ②.誤っている
なぜ「誤り」なのか
著作権法第12条の2において、「データベースの著作物」が明文で保護されています。
- データベースの著作物とは:情報の選択や、その情報の体系的な構成(見つけやすいように整理する工夫など)に創作性があるものは、データベース全体として一つの著作物と認められます。
- 個別データとの関係:個別のデータ(一つ一つの情報)に著作権があるかどうかに関わらず、それを整理・構成した「枠組みや選び方」が評価の対象となります。
実務上のポイント
たとえ一つ一つのデータが単なる事実(住所録のデータや、単なる数値など)であっても、それを「独自の基準で抽出し、検索しやすいように分類・整理」した場合は、データベース全体が著作権で守られることになります。
試験対策のポイント
2級試験では「創作性」という言葉がキーワードになります。
データベース = 情報の「選択」や「構成」に創作性があれば、全体が著作物になる。
編集著作物(百科事典など) = 素材の「選択」や「配列」に創作性があれば、全体が著作物になる。
これらはセットで覚えておきましょう。
第5問
職務上の行為として創作されるものであっても、あくまで著作者は創作活動を行う個人であり、法人は著作者になりえない。
①.正しい
②.誤っている
正解 ②.誤っている
なぜ「誤り」なのか
著作権法第15条には、一定の条件を満たせば「法人(会社など)」を著作者とするという規定があります。これを「職務著作」または「法人著作」と呼びます。
通常、著作権は作った本人に発生しますが、仕事として作成した成果物については、組織として管理・公開することが多いため、実務に合わせて会社に権利を持たせる仕組みになっています。
職務著作が成立するための5つの要件
以下の条件をすべて満たす場合、個人のクリエイターではなく「会社」が著作者になります。
- 法人等の発意(会社の指示や企画)に基づいていること。
- 法人等の業務に従事する者(社員など)が作成すること。
- 職務上作成されるものであること。
- 法人等の名義で公表されるものであること(※プログラムは名義公表不要)。
- 契約や就業規則に別段の定めがないこと(「権利は個人に帰属する」という契約がないこと)。
試験対策のポイント
2級試験では、特に以下の点に注目しましょう。
プログラムの著作物だけは、上記4番目の「会社名義での公表」という条件がなくても、職務著作が成立します。
契約で別段の定めがあれば、そちらが優先されます。
第6問
著作者人格権は、譲渡したり相続したりすることはできない。
①.正しい
②.誤っている
正解 ①.正しい
なぜ「正しい」のか
著作権には、大きく分けて「著作権(財産権)」と「著作者人格権」の2つがあります。
- 著作者人格権:著作者のプライバシーや名誉、作品へのこだわりを守るための権利(公表権、氏名表示権、同一性保持権)です。
- 一身専属性:この権利は著作者本人と切り離せないもの(一身専属)とされており、他人に譲渡(売る・あげる)したり、相続したりすることはできません(著作権法第59条)。
「著作権(財産権)」との違い
財産としての「著作権(複製権や譲渡権など)」は、会社に売ったり、子供に相続させたりすることができます。ここが試験で最も狙われるポイントです。
試験対策のポイント
2級試験では、この「譲渡できるかどうか」の組み合わせが頻出です。
著作権(財産権) = 譲渡・相続 できる
著作者人格権 = 譲渡・相続 できない
実務の契約書でよく見かける「著作者人格権を行使しない」という条項は、譲渡ができないために「権利は持ったままでいいけど、使わないでね」と約束させるためのものです。
第7問
著作権法では、複製権は譲渡できない。
①.正しい
②.誤っている
正解 ②.誤っている
なぜ「誤り」なのか
複製権(コピーする権利)は、著作権(財産権)に含まれる権利の一つです。 第6問で解説した「著作者人格権」とは異なり、著作権(財産権)は、その全部または一部を自由に譲渡(売買や譲与)することができます(著作権法第61条第1項)
実務上のポイント
Web制作の現場では、制作会社がクライアントに対して「著作権(複製権を含む)を譲渡する」という契約を結ぶことが一般的です。もし複製権が譲渡できなければ、クライアントは自社のサイトの画像をパンフレットに流用したり、増刷したりするたびに、毎回制作者に許可を取らなければならなくなり、非常に不便になってしまいます。
試験対策のポイント
2級試験では、以下の対比を完璧にしておきましょう。
著作者人格権(公表権・氏名表示権・同一性保持権):譲渡不可能
著作権(財産権)(複製権・譲渡権・公衆送信権など):譲渡可能
「複製権」という具体的な名前で出されても、それが「財産権」のグループであることを思い出せれば正解できます。
第8問
個人情報保護法における「個人情報」とは、生存する個人の情報であると定義されている。
①.正しい
②.誤っている
正解 ①.正しい
なぜ「正しい」のか
個人情報保護法(第2条第1項)では、個人情報を「生存する個人に関する情報であって……」と定義しています。
- 生存する個人に限る:原則として、亡くなった方(死者)の情報は、この法律が直接保護する「個人情報」には含まれません
- 死者の情報の扱い:ただし、死者の情報が同時に生存している遺族の個人情報(「〇〇さんの遺族」という情報など)にも該当する場合は、その生存する個人に関する情報として保護の対象になることがあります。
実務上のポイント
Webサイトの会員登録やアンケートなどで扱うデータは、基本的に生きている人間を対象としているため、この定義通り「個人情報」として厳格な管理が求められます。
試験対策のポイント
2級試験では、定義の「一言一句」が問われます。
生存する = 必須条件。
特定の個人を識別できる = 氏名だけでなく、他の情報と照合して個人の特定ができるもの(メールアドレスやCookie等も含まれる場合がある)も含まれます。
第9問
氏名や生年月日の組み合せから特定の個人を識別できる情報であっても、別々の場所に保存され、参照するような仕組みになっているようなものであれば、個人情報保護法における「個人情報」とはならない。
①.正しい
②.誤っている
正解 ②.誤っている
なぜ「誤り」なのか
個人情報保護法では、その情報単体で個人を識別できなくても、「他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるもの」は個人情報に含まれると定義されています。
たとえデータが別々のサーバやファイルに保存されていても、IDなどを介して参照(紐付け)できる仕組みがあるのであれば、それは全体として「特定の個人を識別できる情報」であり、立派な個人情報となります。
実務上のポイント
Web制作やシステム開発において、「氏名リスト」と「行動履歴データ」を別のデータベースに分けて保存することがありますが、これらを照合して「誰がどのページを見たか」がわかる状態であれば、両方のデータが個人情報として保護の対象になります。
試験対策のポイント
2級試験では、この「容易照合性(容易に照合できること)」がキーワードです。
物理的に分かれていても、システム的に繋げられるなら 個人情報である。
反対に、絶対に照合できないように加工されたものは「匿名加工情報」などの別の扱いになります。
第10問
第三者が撮影した写真をインターネット上で無断で公開した場合でも、課金しなければ著作権の侵害にはならない。
①.正しい
②.誤っている
正解 ②.誤っている
なぜ「誤り」なのか
著作権法における「著作権(公衆送信権や複製権など)」の侵害は、営利目的(お金を稼ぐこと)か非営利目的かに関わらず成立します。
たとえ無料で公開していたとしても、あるいは個人のブログやSNSであったとしても、著作者に無断でアップロードする行為は公衆送信権の侵害にあたります。
「課金」や「広告」の影響
- 無料公開の場合:著作権侵害になります。
- 有料公開(課金)の場合:同じく著作権侵害になりますが、損害賠償額の算定において、利益を得ている分、賠償額が高くなる可能性があります。
例外:認められるケース
無断で公開しても良いのは、あくまで「引用」の要件を満たしている場合や、著作権の保護期間が切れている場合(パブリックドメイン)などに限られます。
試験対策のポイント
2級試験では、「無料だからセーフ」「個人利用だからセーフ」というひっかけが頻出します。
私的使用のための複製:自分や家族の範囲で楽しむために「コピー(保存)」するのはOK。
インターネット公開:不特定多数が見られる場所に「アップロード」するのは、たとえ非営利でもNG。
この「コピー」と「アップロード」の線引きを明確にしておきましょう。

第11問
インターネット上の掲示板において、個人情報が掲載されるなど権利侵害が起こった場合、権利侵害された者からの訴えによりプロバイダが情報を削除した場合は、プロバイダの法的責任は問われない。
①.正しい
②.誤っている
正解 ①.正しい
なぜ「正しい」のか
プロバイダ責任制限法(第3条第2項)には、プロバイダや掲示板管理者が情報の削除を行った際、特定の条件を満たしていれば、投稿者から「勝手に消すな」と訴えられても責任を負わなくて済むという「免責規定」があります。
具体的には、以下のいずれかに当てはまる場合、プロバイダの責任は問われません。
実務上のポイント
もし、管理者が「訴えられたけど、削除したら投稿者から損害賠償を請求されるかも……」と怯えて削除をためらうと、被害が拡大してしまいます。この法律は、管理者が適切な判断で迅速に削除対応を行えるように保護している仕組みです。
試験対策のポイント
2級試験では、以下の2つの方向性が問われます。
・削除したときの免責:権利侵害が明らか、または手続きを踏んで削除すれば、投稿者に対して責任を負わない。
・削除しなかったときの免責:権利侵害を知らなかった、または知るのが困難だった場合、被害者に対して責任を負わない。
第12問
友人のIDとパスワードを使用し、ウェブサービスを利用するなどした場合、友人であれば違法行為として法的責任を問われることはない。
①.正しい
②.誤っている
正解 ②.誤っている
なぜ「誤り」なのか
不正アクセス禁止法(正式名称:不正アクセス行為の禁止等に関する法律)では、他人の識別符号(IDやパスワード)を無断で入力して、ネットワークを通じて制限されている機能を利用可能にする行為を厳格に禁止しています。
- 関係性は無関係:たとえ親しい「友人」であっても、あるいは家族であっても、本人の承諾なくID・パスワードを使ってログインする行為は、法律違反(不正アクセス行為)となります。
- 承諾があっても注意が必要:本人の許可を得ていたとしても、サービス側の利用規約で「IDの貸し借り」が禁止されている場合がほとんどであり、法的なリスクやアカウント停止のリスクを伴います。
実務上のポイント
Web制作や保守の現場で、クライアントから「私のパスワードを教えるから、代わりに設定しておいて」と頼まれることがありますが、これはセキュリティ上非常に危険な行為です。可能な限り、適切な権限付与(招待機能など)を利用するか、本人の目の前で操作してもらうなどの対策が求められます。
試験対策のポイント
2級試験では、「人間関係」や「善意」が法律の例外になるという選択肢は、ほぼ確実に「誤り」です。
不正アクセス禁止法:他人のパスワードを使ってログインするだけでアウト。
不正アクセス助長行為:他人のパスワードを第三者に教える行為もアウト。
第13問
友人のウェブサービスを利用するためのIDとパスワードを、さらに別の友人に教えた場合、違法行為として法的責任を問われる場合がある。
①.正しい
②.誤っている
正解 ①.正しい
なぜ「正しい」のか
不正アクセス禁止法(第5条)では、他人のIDやパスワードを、無断で第三者に提供する行為を「不正アクセスを助長する行為」として禁止しています。
- 教えるだけでも違法:自分がそのIDを使ってログインしなかったとしても、誰か(この場合は別の友人)に教えること自体が処罰の対象となります。
- 目的が重要:相手が不正アクセスをすることを知りながら教える場合はもちろん、相手が不正アクセスをする目的があることを知らなくても、状況(無断で教えるなど)によっては法的責任を問われる可能性があります。
実務上のポイント
デジタルマーケティングやWeb制作の現場では、多くのパスワードを扱います。「〇〇さんのパスワード知ってる?」「うん、これだよ」といった何気ないチャットのやり取りが、法律に抵触するだけでなく、重大なセキュリティ事故につながる恐れがあるため、厳格な情報管理が不可欠です。
試験対策のポイント
不正アクセス禁止法に関しては、以下の2つをセットで覚えましょう。
・不正アクセス行為:他人のパスワードを勝手に入力してログインすること。(第12問の内容)
・不正アクセス助長行為:他人のパスワードを勝手に誰かに教えること。(今回の内容)
第14問
会社の命令によりウェブページに使用するイラストを職務として作成した場合、あくまで著作権者は自分である。
①.正しい
②.誤っている
正解 ②.誤っている
なぜ「誤り」なのか
著作権法第15条(職務著作)の規定により、以下の条件を満たす場合には、実際に作成した個人(従業員)ではなく、「法人(会社)」が著作者となります。
- 法人等の発意(会社の命令・指示)に基づいていること。
- 業務に従事する者(社員・職員など)が作成すること。
- 職務上作成されるものであること。
- 法人等の名義で公表されるものであること(※今回のイラストも該当します)。
- 契約や就業規則に別段の定めがないこと。
「あくまで著作権者は自分である」という記述は、この原則に反するため誤りです。
実務上のポイント
Web制作会社や事業会社のマーケティング部で働く場合、作成したLPのデザインやイラストの権利は基本的に会社に帰属します。そのため、退職後に自分のポートフォリオに掲載したい場合などは、あらかじめ会社の許可を得る必要があります。
試験対策のポイント
「誰が権利を持つか」という問いに対して:
・個人での創作 = 作った人(自然人)
・会社の仕事での創作 = 原則として会社(法人)
この対比を忘れないようにしましょう。
第15問
著作者人格権は譲渡することができる。
①.正しい
②.誤っている
正解 ②.誤っている
なぜ「誤り」なのか
著作者人格権は、著作者だけが持つことができる特別な権利(一身専属権)であり、他人に売ったり、あげたり、相続させたりすることは一切できません(著作権法第59条)。
- 譲渡できるもの:著作権(財産権)。こちらはコピーする権利や放送する権利など、お金に換算できる権利です。
- 譲渡できないもの:著作者人格権(公表権、氏名表示権、同一性保持権)。こちらは「作者のプライバシーやこだわり」を守るための権利です。
実務上のポイント
Web制作の契約書などで、制作会社がクライアントに権利を渡す際、よく「著作者人格権を行使しない」という条文が入っています。これは「権利自体は譲渡できないけれど、後から『デザインを変えるな(同一性保持権)』などの主張をして、クライアントの邪魔をしませんよ」と約束するために使われます。
試験対策のポイント
試験直前まで、この「セット」を何度も復習しておきましょう。
・著作権(財産権) = 譲渡・相続 OK
・著作者人格権 = 譲渡・相続 NG
第16問
著作権は契約によって譲渡することが出来るため、譲渡された側は、譲渡された著作物を当然いくらでもアレンジして利用できる。
①.正しい
②.誤っている
正解 ②.誤っている
なぜ「誤り」なのか
ここが著作権法の非常に重要な(そして実務でトラブルになりやすい)ポイントです。
- 譲渡できるのは「財産権」だけ:第15問で確認した通り、譲渡できるのは「著作権(財産権)」のみです。
- 「著作者人格権」は作者の手元に残る:作品を改変(アレンジ)されない権利である「同一性保持権」は著作者人格権に含まれるため、たとえ著作権を買い取ったとしても、作者の手元にはこの権利が残っています。
- 勝手なアレンジはNG:したがって、契約で「著作者人格権を行使しない」といった特約を結んでいない限り、譲り受けた側が「当然に」いくらでもアレンジできるわけではありません。勝手に色を変えたり、一部を切り取ったりすると、同一性保持権の侵害になる可能性があります。
Web制作や広告運用で素材を扱う際、クライアントから「著作権はこっちにあるんだから、好きに変えていいだろう」と言われることがあるかもしれません。しかし、法的には「同一性保持権」という壁があるため、トラブル防止のために契約書で「改変の許諾」や「人格権の不行使」を明記しておくことが一般的です。
試験対策のポイント
2級試験では、「著作権を譲渡しても、著作者人格権は移転しない」という知識が、こうした応用問題として出題されます。
・譲渡された側ができること:コピーする(複製権)、ネットに載せる(公衆送信権)など
・譲渡された側が(当然には)できないこと:勝手に内容を作り変える(同一性保持権への接触)
第17問
個人情報取扱事業者が、警察の捜査に協力するために自らが取り扱う個人情報を提供しても、第三者提供とはならないが、税務調査に協力するような場合は第三者提供となり、本人に同意を得なければならない。
①.正しい
②.誤っている
正解 ②.誤っている
なぜ「誤り」なのか
個人情報保護法(第27条第1項第1号)では、「法令に基づく場合」は、本人の同意を得ることなく個人情報を第三者に提供できると定めています。
- 警察の捜査協力:刑事訴訟法などに基づき照会が行われるため、「法令に基づく場合」に該当し、本人同意は不要です。
- 税務調査の協力:所得税法や法人税法などの規定に基づき行われるため、これも同じく「法令に基づく場合」に該当します。 したがって、税務調査であっても本人同意を得る必要はありません。
「税務調査の場合は同意が必要」としている後半部分が誤りです。
実務上のポイント
デジタルマーケティングの現場でも、公的機関から情報の開示を求められるケースが稀にあります。その際は、勝手に判断せず、「法令に基づく適正な手続き(捜査事項照会書など)」が行われているかを確認することが、個人情報保護の観点から非常に重要です。
試験対策のポイント
「本人同意が不要なケース」として以下の4つをセットで覚えましょう。これらは公共の利益や法的義務が個人のプライバシー保護よりも優先される場面です。
・法令に基づく場合(警察、税務署、裁判所など)
・人の生命、身体、財産の保護のために必要で、本人の同意を得ることが困難なとき(急病人の搬送先への情報提供など)
・公衆衛生の向上、児童の健全な育成のために特に必要で、本人の同意を得ることが困難なとき
・国や地方公共団体の事務遂行に協力する必要があるとき
第18問
著作権について、フェアユースとは、あらかじめ定められた条件に沿った公正な利用であれば、著作者の権利侵害とは見なされない、という考え方である。
①.正しい
②.誤っている
正解 ①.正しい
フェアユース(Fair Use)とは
アメリカの著作権法などで採用されている考え方で、「公正な利用であれば、著作権者の許諾がなくても著作物を利用してよい」という柔軟な規定のことです。
- 特徴:日本の著作権法のように「引用ならOK」「教育目的ならOK」と具体的なケースを一つずつ法律に書き出す(限定列挙)のではなく、「利用目的」「著作物の性質」「利用された量」「市場への影響」といった基準に照らして、総合的に「公正(フェア)」かどうかを判断します。
- メリット:新しい技術やサービス(検索エンジンやAI学習など)が登場した際に、個別の法改正を待たずに対処できる柔軟性があります。
日本の状況との違い
日本には、アメリカのような包括的なフェアユース規定はありませんが、近年はそれに近い「柔軟な権利制限規定(情報解析など)」が導入され、デジタル化社会に対応できるよう整備が進んでいます。
試験対策のポイント
2級試験では、日本の法律知識が中心ですが、Webの国際的な背景として「フェアユース」という単語が出題されることがあります。
・フェアユース = 「公正な利用」なら許諾不要という考え方。
・キーワード = 柔軟性、アメリカ、総合的判断。
第19問
日本の特許権は、著作権と同じく、作られた時点で自動的に制作者に与えられる権利である。
①.正しい
②.誤っている
正解 ②.誤っている
なぜ「誤り」なのか
権利が発生する仕組み(主義)が、特許権と著作権では全く異なるからです。
- 著作権 = 無方式主義 作品を作った瞬間に、どこかに届け出ることなく自動的に権利が発生します。
- 特許権 = 方式主義(登録主義) 特許庁に出願し、審査を通って「登録」されなければ権利は発生しません。
実務上のポイント
Web開発において画期的なアルゴリズムやビジネスモデル(ビジネスモデル特許)を発明したとしても、単にコードを書いただけでは「特許」として守られません。公開する前に特許庁へ出願する必要があります。一方、プログラムのコードそのものは「著作物」として、書いた瞬間に著作権で保護されます。
試験対策のポイント
2級試験では、以下の対比が非常によく出題されます。
| 権利の種類 | 発生のタイミング | 主義の名前 |
| 著作権 | 創作した瞬間(自動的) | 無方式主義 |
| 特許権・商標権・意匠権 | 特許庁に登録された時 | 方式主義 |
第20問
著作者から著作権を譲渡されている場合、譲渡された者は、若干修正を行うことで自らの著作物として公表できる
①.正しい
②.誤っている
正解 ②.誤っている
なぜ「誤り」なのか
これには、譲渡できない「著作者人格権」のうちの2つの権利が関係しています。
- 氏名表示権(著作者人格権): 著作物を公表する際に、著作者の名前を表示するかしないか、あるいはペンネームにするかを決める権利です。これは譲渡できないため、著作権を買い取ったからといって、勝手に「自分の作品(自分が作った)」として公表することはできません。
- 同一性保持権(著作者人格権): 著作物の内容を勝手に変えられない権利です。「若干の修正」であっても、元の著作者の意に反する改変であれば、この権利の侵害になります。
実務上のポイント
デザインや記事を外注(アウトソーシング)し、著作権を譲り受けたとしても、法律上の「作った人(著作者)」はその外注先のクリエイターのままです。「自社で作成しました」と対外的に発表したい場合は、あらかじめ契約書で「氏名表示をしないこと(または自社名義とすること)」や「改変を認めること」を合意しておく必要があります。合(パブリックドメイン)などに限られます。
試験対策のポイント
2級試験では、「著作権を譲り受けても、歴史的な事実(誰が作ったか)や作者のこだわり(人格権)までは塗り替えられない」という点が頻出します。
・著作者:実際に創作した人(一生変わらない)。
・著作権者:その作品で商売をしたりコピーしたりする権利を持つ人(譲渡で変わる)。

第21問
特許権は著作権と異なり、産業財産権に含まれる権利である。
①.正しい
②.誤っている
正解 ①.正しい
なぜ「正しい」のか
「知的財産権」という大きなグループは、その目的や管轄によってさらに細かく分類されます。
- 産業財産権(旧・工業所有権): 産業の発展を目的とする権利で、特許庁が管轄します。以下の4つの権利がこれに含まれます。
- 特許権(発明)
- 実用新案権(物品の形状などの考案)
- 意匠権(デザイン)
- 商標権(マークやロゴ)
- 著作権: 文化の発展を目的とする権利で、文化庁が管轄します。これらは「産業財産権」には含まれません。
実務上のポイント
デジタルマーケティングやWeb制作の現場では、これら両方の権利が混在します。
- ロゴのデザイン = 著作権 + 商標権
- 独自の予約システム = 著作権 + 特許権 といった具合です。それぞれの権利で守られる範囲が異なるため、適切な保護手段を使い分ける必要があります。
試験対策のポイント
2級試験では、以下の体系図を頭に入れておくとスムーズです。
・産業財産権(特許・実用新案・意匠・商標) = 特許庁・登録が必要
・著作権(文芸・学術・美術・音楽・プログラム) = 文化庁・登録不要
第22問
著作権についての説明として、適切なものを以下より1つ選択しなさい。
①.著作権法は改正されたことがない。
②.第三者の著作物は、引用と認められれば著作者の許諾なく利用できる。
③.同一性保持権とは、著作権(財産権)に含まれるものである。
④.著作者人格権は、著作者が経済的な損害を被ることがないようにするための権利である。
正解 ②.第三者の著作物は、引用と認められれば著作者の許諾なく利用できる。
なぜ「2」が正しいのか
著作権法第32条では、公正な慣行に合致し、報道・批評・研究などの目的で「引用」を行う場合は、著作権者の許諾を得ることなくその著作物を利用できると定めています。ただし、引用には「主従関係が明確であること」「引用元を明示すること」などの厳しい要件があります。
他の選択肢が誤っている理由
- ①.著作権法は改正されたことがない。誤り:デジタル技術の発展に合わせて、著作権法は頻繁に改正されています(近年ではAI学習に関する規定や海賊版対策など)。
- ③.同一性保持権とは、著作権(財産権)に含まれるものである。誤り:同一性保持権は「著作権(財産権)」ではなく、「著作者人格権」に含まれます。
- ④.著作者人格権は、著作者が経済的な損害を被ることがないようにするための権利である。誤り:経済的な損害(お金)を守るのは「著作権(財産権)」です。著作者人格権は、著作者の「精神的な利益(名誉やこだわり)」を守るための権利です。
試験対策のポイント
2級試験では、「引用の成立要件」も深く問われます。
・自分の文章が「主」、引用部分が「従」であること。
・引用する必要性があること。
・出所(出典)を明記すること。
・引用部分をカギ括弧などで明確に区別すること。
第23問
販売することを目的として、著作権者に無断で映画をDVDに記録することは、主に著作物の( )を侵害している行為であるため、著作権法において処罰の対象となる。
①.譲渡権
②.複製権
③.上映権
④.販売権
正解 ②.複製権
なぜ「複製権」なのか
著作権法第21条の「複製権」とは、著作物を印刷、写真、複写、録音、録画、その他の方法により有形的に再製する権利です。
- 録画・記録=複製:映画という著作物をDVDという媒体に「記録」する行為は、まさに「複製」そのものです。無断で行えば、販売目的かどうかにかかわらず複製権の侵害となります。
他の選択肢について
- 譲渡権:複製物を公衆に譲渡(販売や譲与)する権利です。売る段階で侵害になりますが、その前の「作る」段階では複製権が問題になります。
- 上映権:映画などを公衆に見せる権利です。
- 販売権:著作権法には「販売権」という名称の独立した権利はなく、譲渡権や頒布権の中に含まれる概念です。
実務上のポイント
Web制作においても、他人のサイトのソースコードをコピーして自分のサーバに保存したり、他人の画像をダウンロードして自社サイトの素材としてサーバーにアップロード(記録)したりする行為は、まずこの「複製権」への抵触を意識する必要があります。
試験対策のポイント
2級試験では、行為と権利の名称を一致させることが重要です。
・紙に印刷、HDDに保存、DVDに焼く = 複製権
・ネットにアップロード、メールで送信 = 公衆送信権
・人前で演奏、CDを流す = 演奏権
第24問
日本の著作権法において、「プログラムの著作物」にあたるものはどれか、適切なものを以下より1つ選択しなさい。
①.マークアップ言語
②.パッケージソフト
③.プロトコル
④.アルゴリズム
正解 ②.パッケージソフト
なぜ「パッケージソフト」なのか
著作権法では、「プログラム」を「電子計算機を機能させて一の結果を得ることができるようにこれに対する指令を組み合わせたもの」と定義しています。
- パッケージソフト(OSやアプリなど):具体的な指令(コード)の組み合わせによって構成されており、その表現(記述の仕方)に創作性があれば、著作物として保護されます。
他の選択肢が「著作物」にならない理由
これらは著作権法第10条第3項において、明確に保護の対象外とされています。
- マークアップ言語(プログラム言語):プログラムを書くための「ルールや約束事」そのものは著作物になりません(例:HTMLやPHPという言語自体)。
- プロトコル(規約):コンピュータ間で通信するための「手順・規約」も著作物ではありません。
- アルゴリズム(解法):問題を解決するための「論理的な手順(考え方)」は、アイデアの範疇であり、具体的な表現ではないため著作物になりません。
試験対策のポイント
2級試験では、「表現」は守られるが「アイデア・ルール」は守られないという原則がよく問われます。
・守られる(著作物):ソースコード、実行用オブジェクトコード、パッケージソフト
・守られない(対象外):プログラム言語、規約(プロトコル)、解法(アルゴリズム)
第25問
個人情報保護法において、「個人情報」にあたらないものはどれか、適切なものを以下より1つ選択しなさい。
①.氏名と生年月日
②.録音された音声
③.防犯カメラに収められた映像
④.無作為な英字の羅列によるアカウントを持つメールアドレス
正解 ④.無作為な英字の羅列によるアカウントを持つメールアドレス
なぜ「4」が正解(個人情報ではない)なのか
個人情報の定義は、「特定の個人を識別できるもの」(または他の情報と容易に照合して識別できるもの)です。
- 選択肢4:
abc123xyz@example.comのように、名前や属性が含まれていない無作為な英字の羅列だけでは、そのアドレスを見ただけで「誰か」を特定することはできません。そのため、単体では個人情報には該当しないとされています。
※ただし、そのアドレスが「氏名」とセットでデータベースに保存されている場合は、全体として個人情報になります。
他の選択肢が「個人情報」である理由
- 氏名と生年月日:最も代表的な個人情報です。
- 録音された音声:声紋や話の内容から、特定の個人を識別できるため個人情報に該当します。
- 防犯カメラの映像:本人の顔が映っていれば、特定の個人を識別できるため個人情報に該当します。
試験対策のポイント
2級試験では、「メールアドレス」の扱いが非常によく出ます。
・個人情報になる場合:
ユーザーIDが含まれていて、社内システムで照合すれば誰かすぐわかる。yamada.taro@example.com のように氏名が含まれている。
・個人情報にならない場合(原則):
今回の問題のように、無作為な文字列で、それ単体では誰だかサッパリわからない。
第26問
産業財産権についての説明として、適切ではないものを以下より1つ選択しなさい。
①.産業財産権には特許権が含まれる
②.産業財産権には実用新案権が含まれる
③.産業財産権には意匠権が含まれる
④.産業財産権には著作権が含まれる
正解 ④.産業財産権には著作権が含まれる
なぜ「4」が不適切(正解)なのか
第21問の解説でも触れた通り、著作権は産業財産権には含まれません。
- 産業財産権:特許庁が所管し、「産業の発展」を目的とする4つの権利(特許・実用新案・意匠・商標)の総称です。
- 著作権:文化庁が所管し、「文化の発展」を目的とする権利です。
この2つを合わせた大きな枠組みが「知的財産権」となります。
産業財産権の4つの柱
- 特許権:高度な発明(技術的なアイデア)
- 実用新案権:物品の形状などの考案(小発明)
- 意匠権(いしょうけん):物品の外観(デザイン)
- 商標権:商品やサービスのマーク(ロゴや名称)
試験対策のポイント
2級試験では、この「権利の仕分け」が頻出です。
「特許・実用新案・意匠・商標」を「産業財産権(旧・工業所有権)」という一つのパッケージとして覚えておきましょう。
第27問
知的財産権についての説明として、適切なものを以下より1つ選択しなさい。
①.知的財産権は、産業財産権の一部である
②.産業財産権とは特許権や商標権など複数の権利が集まったものの総称である
③.不正競争防止法は、知的財産権に含まれるものではない
④.意匠権は著作権の一部である
正解 ②.産業財産権とは特許権や商標権など複数の権利が集まったものの総称である
なぜ「2」が正しいのか
これまで何度か触れてきた通り、特許権、実用新案権、意匠権、商標権の4つの権利をまとめて「産業財産権」と呼びます。複数の法律に基づく権利の「パッケージ名」だと考えると分かりやすいです。
他の選択肢が誤っている理由
- ①.知的財産権は、産業財産権の一部である誤り:関係が逆です。「産業財産権」が「知的財産権」という大きなグループの一部です。
- ③.不正競争防止法は、知的財産権に含まれるものではない誤り:不正競争防止法(営業秘密の保護など)も、知的財産権という大きな枠組みの中に含まれます。
- ④.意匠権は著作権の一部である誤り:意匠権(デザインの保護)は、著作権の一部ではなく、独立した「産業財産権」の一つです。
試験対策のポイント
2級試験では、以下の包含関係(ほうがんかんけい)を正確に把握しているかが問われます。
知的財産権(一番大きな枠組み)
・産業財産権(特許・実用新案・意匠・商標)
・著作権
・その他(不正競争防止法、種苗法、回路配置利用権など)
第28問
個人情報保護法において、個人情報取り扱い事業者と定められる要件としての取り扱いの数の規定はどのようになっているか、適切なものを以下より1つ選択しなさい。
①.100件以上取り扱うもの
②.1000件以上取り扱うもの
③.5000件以上取り扱うもの
④.数の多い、少ないに規定は無い
正解 ④.数の多い、少ないに規定は無い
なぜ「4」が正しいのか
以前の個人情報保護法では、「5,000人分を超える個人情報を扱う事業者」という数値基準がありましたが、2017年の全面施行(法改正)により、この「5,000件条項」は撤廃されました。
実務上のポイント
クライアントから名簿を預かったり、小規模なサイトであっても問い合わせフォームから顧客情報を取得したりする場合、その時点で個人情報保護法を守る義務が発生します。「うちは少人数の顧客しかいないから大丈夫」という考えは、現在の法律では通用しないため注意が必要です。
試験対策のポイント
2級試験では、過去の法律知識(5,000件)と現在のルールを入れ替えて惑わせてくる問題がよく出ます。
・昔:5,000件以上が対象
・今:件数に関係なく全ての事業者が対象
第29問
個人情報保護法において、個人情報取扱事業者により個人データの漏えい等が発生した場合、本人への通知とともに、どの組織へ報告する義務があるか、適切なものを以下より1つ選択しなさい。
①.個人情報保護委員会
②.個人の属する市町村の役所
③.事業者の属する市町村の役所
④.厚生労働委員会
正解 ①.個人情報保護委員会
なぜ「1」が正しいのか
2022年4月の改正個人情報保護法の施行により、一定の条件(漏えいした情報の性質や件数など)を満たす重大な漏えい事故が発生した場合には、以下の2つの対応が義務化されました。
- 個人情報保護委員会への報告:国の機関である「個人情報保護委員会」へ事態を報告しなければなりません。
- 本人への通知:情報が漏れた本人に対して、速やかにその旨を知らせなければなりません。
実務上のポイント
Webプロデューサー・エンジニアの立場では、万が一サーバー攻撃を受けたり、設定ミスで顧客データが閲覧可能になったりした場合、迅速にクライアントへ報告し、この「委員会への報告」と「本人通知」を検討するフローに入ることが求められます。初動の遅れは大きな法的・社会的責任を問われることになります。
試験対策のポイント
報告先:内閣府の外局である「個人情報保護委員会」一択です。
義務の発生:全ての漏えいではなく、個人の権利利益を害するおそれが大きい「重大な事態」に該当する場合です(例:クレジットカード情報の漏えい、不正アクセスによる漏えい、1000名を超える漏えいなど)。
第2段階(法務・知財)の総括
全29問、完走お疲れ様でした! 今回解いた問題は、Webデザイン技能検定2級の中でも「点数が取りやすいけれど、あやふやにしていると落としやすい」非常に重要なパートです。
- 著作権:人格権(譲渡不可)と財産権(譲渡可)の区別
- 個人情報:件数に関わらず全事業者が対象、漏えい時は「委員会」へ報告
- 産業財産権:特許・実用新案・意匠・商標の4つ
このあたりを完璧に押さえておけば、試験本番でも大きな武器になります。

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